コンブリック 1/700 CS70096
豪・モニター艦サーベラス・1870
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 全長69m・排水量3340トン・レプシロ機関2基2軸・速力9.75ノット・10インチ(25.4cm)前装式連装砲2基

サーベラスは、オーストラリア・ビクトリア植民地政府海軍が保有したモニター艦。インド海軍の「マグダラ」と同型。後にオーストラリア海軍が承継し、1921年にプラティパス IIと改名した。現在も防波堤として船体が現存している。
本艦はイギリスの植民地であったオーストラリアのビクトリア植民地政府海軍の軍艦としてオーストラリアの沿岸部を防衛する任務のため、イギリスで建造された。建造のきっかけは、アメリカ南北戦争中に南軍の軍艦がメルボルンで補給をおこなうのを阻止できず、後日損害賠償を支払うはめになった出来事である。沿岸モニター艦に分類され、特に艦中央部にブレストワークと呼ばれる上部構造物を備えることから、ブレストワーク・モニターと呼ばれる系列に位置している。イギリス海軍の「デバステーション級」などと同種の艦にあたる。
本艦の仮想敵としてはドイツ海軍の「アリアドネ」やロシア帝国海軍の機帆走コルベット「アスコルド」、フランス海軍の極東艦隊などが想定されていた。中でもイギリス海軍のライバルであるフランス海軍の二等装甲艦ラ・ガリソニエール級「ラ・ガリソニエール」は強力な敵であった。列強の植民地獲得が盛んな時代にあって、本艦の存在はオーストラリアにとって熱望されていた。

竣工した「サーベラス」は、イギリスから回航され、1871年4月9日にポートフィリップ湾に到着した。本艦はビクトリア政府海軍の主力艦として、メルボルン港などポートフィリップ湾一帯の防衛任務に当てられた。1883年以降、水雷艇対策として各種の速射砲やサーチライト等が艦上構造物に追加された。
1911年にオーストラリア海軍が成立すると、その所属艦として引き継がれた。旧式化が著しく弾薬庫などとして使用された。1921年に「プラティパス II」に改名され、港に係留されてオーストラリア海軍のJ級潜水艦部隊の支援用に使われた。
J級潜水艦部隊の解散に伴い、1924年にスクラップとして売却された。一旦は解体工事が始まったが、1926年に防波堤に転用されることとなり、ビクトリア州メルボルン郊外のブラックロックにあるハーフムーン湾に沈められた。船体が残された世界でも稀なモニター艦となったが、波浪の影響で破損が進行しており、地元で保存運動が行われている。


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